
実際にカウンセリングを利用された感染者の方々は、利用してみてどんな感想をもたれたのでしょうか。利用者にインタビューした調査結果から利用者の声をお届けします。なお、この結果は、一人の方がインタビューで話された発言内容そのままではなく、複数の方の発言内容をまとめたものです。
■利用前のカウンセリングのイメージとは・・
■利用しようと思った動機は・・
■利用してみての感想は・・
■満足度
■利用前のカウンセリングのイメージとは・・
■利用しようと思った動機は・・
■利用してみての感想は・・
■満足度
*「今回利用するまで、自分とはまったく関係ないものだと思っていました。」
*「あんまり具体的なイメージがなくて、なんだかなにをするのかよくわからないなあと・・・。」
*「精神科と関係があるというイメージ。」
*「白衣を着た精神科のお医者さんが出てこられるのかと想像していました。」
*「とにかく話を聞いてくれる所というイメージでした。でもいったいなにから話したらいいのかはわかりませんでした。」
*「自分の生活の話ができる場所だろうとぼんやり思っていました。」
*「具体的によくわからないけど、信頼している主治医の先生が勧めるから大丈夫だろうと思いました。」
*「病気のことがよくわからないので、とにかくゆっくりといろいろと聞ける所が欲しかったです。」
*「仕事と病気の折り合いをどうつけるかで悩んでいたので、その辺のところを一緒に考えてくれるかなと思って・・。」
*「パートナーとの関係についていろいろなことが起こっていたので利用しました。」
*「自分が病気にかかるなんて思ってもみなかったので、これから自分の人生どうしていくのかなと考えていたので・・・。」
*「今は必要ないけど、とりあえず顔つなぎをしておいたらいいかなと思って。」「家族への告知をどうするかなあと思って相談したかったです。」
*「とにかくいろいろなことが一度に来たので、話す場所が必要と思って。」
*「自分の病気のことは多くの人に伝えていないので、病気のことを自由に話せる相手が欲しかったです。」など
*「病気のことを告知していない人だと気を使うんですが、カウンセラーは病気のことを気にせずに、その時とその時の自分の気持ちや考えを自然に自由に話せる相手でした。話した後はすっきりします。」
*「カウンセラーは自分の生活で起こったことをなんでも気軽に話せる存在。」
*「いいことも悪いこともいろいろなことを吐き出せる場所でした。」
*「一人で考えていると堂々巡りな感じのことも、話していくとだんだん整理できてきて、これからどうしていくかがしだいにわかる感じ。」
*「対話していると不思議といろいろと整理されてくるんです。」
*「話している間に、こうしようという方向が見えてくる感じです。」
*「自分の考えを話して、実行してみて。一人でやっているとちょっとこころ細いけれども、過程を見てくれている人がいるとおもうとちょっと楽。カウンセラーは過程を見ていてくれる人という感じです。」
*「ゆっくりといままでの自分を振り返る時間になりました。」
*「カウンセラーとは長いおつきあいになりましたが、その間にいままでの自分を振り返り、すこしずつすこしずつ自分が新しい自分を作り直す時間でした。」
*「一人で悩んでいると辛かったが、相談相手がいるといくらか楽になった。」
*「自分一人で考えていると同じことの繰り返しであったが、人に話すことで考えが整理され、違った考え方ができるようになった。」
*「話しにくい内容を秘密を守ってもらえるので安心できた。」
*「わかってもらえることで、気分が楽になった。」
*「告知を受けて混乱していたとき、長い時間かけて話を聴いてもらい不安を話したり、病気の説明を受けたりするうちに落ち着けた。」
*「普段はカウンセリングを受ける必要性を感じないが、困った時やじっくり考えたいときに利用している。」
*「カウンセラーって何もしてくれないが、余計なことも言わず話を聴いてくれた。」など
>>医師
*精神科の医師と比べて、カウンセラーはもっと患者さんに近い存在なのではないかというイメージをもっていました。(都立駒込病院 医師 今村顕史)
*HIV患者に対する精神的サポートといっても、カウンセリングの効果がどのくらいあるのかわかりませんでした。また申込書に細かく記入しなくてはならず、やや利用しにくい感じがありました。(小張総合病院 二宮浩樹)
*研修医の頃にHIVの告知についてロールプレイを経験していた事があり、HIVカウンセリングの必要性は実感していました。専門的トレーニングが必要な領域であろうと思います。(東葛病院 星野啓一)
*具体的なイメージはあまりなく、患者さんの不安な気持ちを聞いてくれるものなのかと漠然と考えていました。(国立国際医療センター 医師 本田美和子)
*先ず、HIVカウンセリングという特殊な位置づけにありながら定義が曖昧でどんなことを目指しているかが伝わってきません。(大阪医療センター 医師 牧江俊雄)
*なし。(HIV/AIDS専門内科医(1年目))
*疾患によって引き起こされる患者さんの悩み・心理的苦しみを和らげてくれる。(大阪医療センター 医師)
*カウンセリングを受けていくと、悩んでいた患者さんの悩みが解決していく、問題行動が無くなっていくので、診療がスムースに行くようになると思っていました。(大阪医療センター 医師)
*クライエントが話すこと、話す中で考え方を整理すること、感情を発露することなどにより、精神的なストレスから少しずつ解放され、精神的な安定、積極性などを回復する筋道を探す。(東京大学医科学研究所 医師 岩本愛吉)
>>医療ソーシャルワーカー
*しんどさやつらさ、悔しさややるせなさ、漠然とした不安や申し訳なさなど、人に言いにくい部分をしっかり時間をとって話せる場。それが本人にとってどんな意味を持つのかをゆっくりと見つめる場。また、感情は一方向ではなく、渦巻いたり、とりとめがなくなるため、そこを整理することを手伝う場。(大阪医療センター 医療ソーシャルワーカー 岡本学)
>>看護師
*プライバシーが守られ、どんな事でも話しが出来る(聞いてもらえる)、気持ちの整理が出来る。(大阪医療センター HIV/AIDSコーディネーター 織田幸子)
*この病院に来るまで精神疾患の判断がついた患者が利用するもの(薬物療法と平行的な考え)と思っていました。(大阪医療センター HIVコーディネーター 下司有加)
>>薬剤師
*アドヒアランス不良の患者さんに対し、心理面からのアプローチを行う。(大阪医療センター 薬剤師 矢倉裕輝)
>>医師
*告知後で不安は強い患者さんで、いろいろな整理ができない悩みを話す相手が医師や看護師以外に必要だと考えたのがきっかけです。精神科は適応ではないということ、医師や看護師は厳しい話しもしなければならない立場であったため役割分担も必要でした。(都立駒込病院 医師 今村顕史)
*実際にHIV患者が来院され、当院のスタッフでは精神的ケアや一般的なHIVの知識を与えることが困難であったため。(小張総合病院 二宮浩樹)
*病院勤務医が医学的判断と心理的サポートを同時にする事はきわめて難しく、看護スタッフの力を借りても出来る事は限られているだろうと感じていました。まして、非拠点病院、非HIV専門であれば尚更です。病院MSWからこの制度を教えてもらい利用する事にしましたが、一人の患者さんを挟んで、どのような方が来られるか、われわれスタッフの一員としてどこまでの情報共有ができるのかはじめは心配な点もありました。(実際は杞憂でしたが)(東葛病院 星野啓一)
*外来での面談を数回重ねた後も不安感が更に募っているように思われた患者さんへの対応の選択肢としました。(国立国際医療センター 医師 本田美和子)
*医者と患者との関係だけになると、患者の立場が弱くなるか、多数決でも1対1になります。Nsのような医療者よりも医療内容とは一線を画す人をおいてトライアングルを作った方が物事がスムースに流れることがあります。患者+カウンセラー ならば、医者が彼らの意見を尊重することに自然の形ができるからです。(大阪医療センター 医師 牧江俊雄)
*同僚が利用しているから。(HIV/AIDS専門内科医(1年目)
*患者さんは、とくに個室に入ると、接する人が病院スタッフと一部の見舞客に限られてしまって考え方が狭くなるため、カウンセラーの方に入っていただいた方がよい、と同僚からアドバイスを受けたため。(大阪医療センター 医師)
*初診の患者さんが来た時、何か悩み事がありそうな時、元気が無く落ち込んでいる時、選択に迷っている時、問題行動を起こしている時など、利用を考えます。(大阪医療センター 医師))
*内科診療ではウィルス量、免疫状態など検査結果の説明や身体的な訴えに対する対処などが中心となり、精神科診療では鬱病や統合失調症など精神疾患への対応が中心であり、両者の間に大きなギャップが存在する。患者さんの中にはHIV感染や仕事、対人関係等での悩み、不眠、軽度鬱病などの問題を抱える人が非常に多く、それらの軽減、解決に向けた何らかの手段が必要と感じたから。(東京大学医科学研究所 医師岩本愛吉)
>>医療ソーシャルワーカー
*初めて利用をしようと思った時は、自分では継続して心理面に付き合うことは難しそうだと思ったので、経験豊富なカウンセラーにお願いをする方が良いと考えたから。それ以降は、心理面にフォーカスした継続的なかかわりを必要としている方についてはご案内をしています。(大阪医療センター 医療ソーシャルワーカー 岡本学)
>>看護師
*プライバシーが守られ、どんな事でも話しが出来る(聞いてもらえる)、気持ちの整理が出来る。(大阪医療センター HIV/AIDSコーディネーター 織田幸子)
*看護で行う傾聴・共感・問題解決では解決しきれない精神的な(生育歴や社会背景とか含めて)問題があるので、患者さんと話していて、そういう問題を感じた時はカウンセリングを利用しよう・・・と患者さんに勧めています。(大阪医療センター HIVコーディネーター 下司有加)
>>薬剤師
*自分の状況を共有してもらいたいため。問題点があることは解るが具体的にどういうこが原因になっているか抽出してもらいたいため。(大阪医療センター 薬剤師 矢倉 裕輝)
>>医師
*これまでにも多くの患者さんを紹介してきましたが、面談後に本人がみせてくれる表情の変化がすべてを物語っていると思います。カウンセラーがいなければ、うまくいかった様な例も多くあり、本当に感謝しています。特に派遣カウンセラー制度の場合には、どのような患者さんを紹介していいのかを迷う医師も多いと思います。診療をよりスムーズにすすめるために協力しあうスタッフの一人として、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。(都立駒込病院 医師 今村顕史)
*非常に素晴らしい制度であると思います。 @丁寧な説明A患者の話をまず聞くという態度Bプライバシーをきちっと守れるC最新の情報を患者のみならず、医療者にも提供してくれることDカウンセリングの時間以外にも連絡をとり、気にかけてくれることE身体障害者制度等の種種の行政サービスの利用を案内してくれること。等、当院のような専門のスタッフがいない医療施設においては大変役に立つ制度でした。しかも費用がかからない!実際にカウンセリングを受けた患者数は5−6名と思いますが、情報の少ない中不安な気持ちでいっぱいな患者を精神的、経済的、医療的にサポートしていただき、大変感謝しています。(小張総合病院 二宮浩樹)
*病院勤務医が医学的判断と心理的サポートを同時にする事はきわめて難しく、看護スタッフの力を借りても出来る事は限られているだろうと感じていました。まして、非拠点病院、非HIV専門であれば尚更です。病院MSWからこの制度を教えてもらい利用する事にしましたが、一人の患者さんを挟んで、どのような方が来られるか、われわれスタッフの一員としてどこまでの情報共有ができるのかはじめは心配な点もありました。(実際は杞憂でしたが)(東葛病院 星野啓一)
*実際、顔が見えるまではどのような方が現れるか不安がありました。HIVの診療を主にされていられる先生方はカウンセラーの必要性や実際のカウンセラーの方々とも「顔の見える関係」が作られていることが多いのではないでしょうか?HIV診療を専門としない医師にとっては、カウンセリングもそうですが自分の知識を補っていただいたり、医師が必要な情報を集めるソースをご紹介いただいたりしました。患者さんのカウンセリングもそうですが非専門医にとって「役に立った」部分が多かったような気がします。(東葛病院 星野啓一)
*臨床医とは異なったアプローチによってご本人の長期的包括的な健康管理に役に立っていると思います。(国立国際医療センター 医師 本田美和子)
*医者と患者との関係だけになると、患者の立場が弱くなるか、多数決でも1対1になります。Nsのような医療者よりも医療内容とは一線を画す人をおいてトライアングルを作った方が物事がスムースに流れることがあります。患者+カウンセラーならば、医者が彼らの意見を尊重することに自然の形ができるからです。(大阪医療センター 医師 牧江俊雄)
*定期的にカウンセリングを利用している患者様はおひとりですが、カウンセリングが進むとともに精神的に成長しているのがはっきりわかり、その点においては意義は多いにあると感じられました。(HIV/AIDS専門内科医(1年目))
*カウンセラーの方の話を聞くことで、患者さんへのアプローチの方法の参考になったり、自分の診療行為を見直すきっかけとなる情報を得ることができ、結果的に患者さんがよりよい診療を受けられるようになったと思います。 対応の難しい患者さんについての相談をさせてもらうこともあり、助かりました。(大阪医療センター 医師)
*じわっと効いている感じがすることもある。全く何がなされているのか判らない時もある。カウンセリングは、すぐに効くわけではないことが判った。特に問題行動を起こしている患者の場合、すぐに問題行動をしなくなるわけではなかった。しかし、カウンセリング効果はすぐに出ないことが当然であると認識してしまうと、結果や経緯を毎回毎回焦って聞くことをやめてしまい、お互い判りあえていると誤解してコミュニケーション不足に落ち入ってしまいがちになることも判りました。(大阪医療センター 医師)
*当院にはカウンセラーが存在せず、たいへんありがたいと思っています。カウンセリングが人と人の会話に基づく以上、聞き取り上手、相性といったものもあるかなと思っています。(東京大学医科学研究所 医師 岩本愛吉)
>>医療ソーシャルワーカー
*継続して利用するかどうかはご本人次第なのですが、必要な時にはいつでも利用できるということが、安心感につながると思っています。連携が取れることで互いの良さを活かせると考えています。(大阪医療センター 医療ソーシャルワーカー 岡本学)
>>看護師
*動揺、苛立ちなど気持ちが、話すこと(聞いてもらい)により、整理される。(大阪医療センター HIV/AIDSコーディネーター 織田幸子)
*専門的なアプローチで関わっていただけているので、チームメンバーとしては安心感があります。医師や看護師もそれぞれに専門で仕事をしていて、患者さんの抱える精神的な部分っていうのは、「この職種が解決するもの」という定義はありませんが、だからこそ、カウンセラーさんを活用するのは1つの方法だと思いました。また、極端に目に見えて患者さんが変化することはなくても、時間をかけて患者さんが変化していく姿を見ると、手間暇かかってもカウンセリングの効果をすごく感じます。(大阪医療センター HIVコーディネーター 下司有加)
>>薬剤師
*自問題点が具体的に判明した結果、本人自身も理解し向き合うことができるようになり、スムーズに問題解決へ向かうことができた。その結果、服薬に対し意識が向けられるようになった。困難な症例に遭遇したときに解決にむけての選択肢が増えたと思う。(大阪医療センター 薬剤師 矢倉裕輝)
*派遣カウンセリング制度を利用した経験のある全国の拠点病院の医師(83名)を対象とした調査において、初回のみならず、直近の依頼まで派遣カウンセラーの活動を高く評価しておりました。また、派遣制度の利用の有無に関わらず、制度の存在がHIV診療を行う上で、医師の安心感につながっていることも明らかになりました。詳しくは、こちら(注:PDFがひらきます)のp16〜p21をご参照ください。
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